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「付き合っている事なんて、誰も知らないくらい、普通に仕事していた。課長も…ことちゃんも…
技研のメンバーだって…結婚したって時まで、あの二人が付き合っているって知らないくらいだったよ。」
成瀬さんは昔の事を思いだし、ポツポツと話す。
「課長もあのままの仕事態度だったし、
ことちゃんは、雑用とか…今、神林さんがやっていた仕事と、
細々とした発注業務から…試作のスケジュールまできちんと把握していて、
技研内の秘書だったよ。相当な切れ者で…退職する時は…みんながみんな、惜しいと思いながらも…
自分の仕事に戻りたい…って決意固くて、だから黙って送ったんだ。」
成瀬さんの声が擦れてる。
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