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教会に入るのが遅れたため、課長の後ろの位置で、父親に腕を轢かれながらバージンロードを歩く神林さんを見つめる。 きれいだな…って思うけど、 さっきのやっぱり私のせいだよね…って思うと苦しくて仕方ない。 目の前の課長は、神林さんを見ているので、私に背を向けている。 何食わぬ顔をしているけど心配で仕方ないはず。 神林さんが父親の腕から離れ、板谷さんの差し出された手に掌を乗せた瞬間に、 みんなが一斉に、一段高い位置にいる二人を見つめるために前を向く。 その時に課長の顔を見つめると、 唇は一文字に固く結んで、硬い表情をしたままだった。 顔色も若干悪くて、考えていることは奥さんの事だってわかる。
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