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式から披露宴まで一時間の時間が空き、 待ち時間が微妙に…長い…と思いながら自分の席を確認すると、 長谷部課長たちのテーブルとは隣同士。 課長の席と背中合わせの席だと気づく。 ひな壇の正面は、板谷さんと神林さんの会社の人たちの席になっていて、 普段接点が多いから、どこが新郎でどっちが新婦なのか境目もわかんないほど。 キョロキョロと課長を探すと、 内ポケットから携帯を取り出して、式場から出て行き電話を掛けようとしている様子は一目瞭然だった。 式に参列していない披露宴だけの人たちもぼちぼち来始める時間帯になっても、 成瀬さんも奥さんも戻ってくる気配もなく、 電話も通じないらしい課長は心配で何度も何度も時計を見たりため息を付いたりして、 時間をやり過ごしていた。
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