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高砂の席に二人が到着すると 課長が緊張した顔を浮かべ、 武田部長と高木さんに冷やかされている。 二人とも最初の長谷部課長の嘘を信用しているから奥さんがいない事は特に何も言わない。 あの現場にいたのは…私と課長と成瀬さん。 他の人はみんな前を向いていたから最後尾の私たちには気づいていなかった。 「では…乾杯の音頭を…新郎新婦のご上司でいらっしゃいます… N製作所、技術研究部設計課課長・長谷部優介様…よろしくお願いいたします。」 司会進行の人に呼ばれた課長は緊張した顔をしてグラスを持ち、 指示されたマイクスタンドの前に立ち、一言挨拶をするため、一つ小さく咳払いをしてた。
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