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武田部長の挨拶が一番最初。 「心筋梗塞で倒れるなよ。今日はことちゃんいないんだからな。」 高木さんが緊張している武田部長に野次を飛ばす。 「うるさい!高木。お前埋めるぞ…」 こっそりそう言ったかと思ったら、 武田さんはさっき長谷部課長が乾杯の時に使ったマイクスタンドまで歩いて行き、 いつもと変わりない顔で挨拶を始める。 「板谷君と…神林…じゃなかったですね…新婦裕美さんの上司になってまだ日が浅く…先ほど乾杯をした長谷部の方が…二人の事を良く知ってるので、挨拶を押し付けようと思いましたが…、乾杯の方になったから…と断られたものですから急ごしらえの挨拶で申し訳ありません…」 その話し方は普段の汚い作業服を着ているおっさんとは思えない。
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