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課長は時々携帯を見て…
その様子からメールを見ていることはわかっていた。
そして何度か見た後で
成瀬さんまで携帯を見つめて
見終わった後で課長の横に行き
「良いんですか?ついてなくて…」と声を掛けていた。
「良いよ。中座したらそれこそ叱られる。」
ハハハッと乾いた笑いを浮かべ、
「今日は祝いの席だ。もう携帯気にしないで、式に集中しよう。」
成瀬さんの肩を叩き、席に戻るように指示をしてる。
乾杯が終わった課長と、
挨拶が終わった部長もホッとして食事をし始めている。
すると、司会の人から
「それでは…新婦のお友達の、長谷部ことさんからご祝辞を…」
と言ったところで、板谷さんと神林さんが慌て始め、司会の人と相談を始め、
課長の所を見つめていると、
課長は手で合図して、自分が立ち上がり、もう一度挨拶の席に立ちあがっていた。
紹介してしまった分挨拶が抜けてしまうと、進行の方が困っていた。
立ち上がった課長をみてホッとしているのがわかる。
その様子を成瀬さんは硬い表情で見つめ、
もう一度私を睨みつけると、
ぷいっと顔を背けらてた。
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