理不尽だとは思ってたけど、ここまでとは

15/17
378人が本棚に入れています
本棚に追加
/63ページ
「なんで分かったんだ!本当、大地にはいつも敵わないな、ハハハッ」 頭を掻いて苦笑いする鈍感は、少しスッキリしたような顔をしている。 「まさかだな。もう、誰とでも良いからくっついてしまえば?」 決めた。 明日は学校に行かない。 「いや、それは出来ない。ちゃんと考えてから結論は出した方が良いと思うんだ。それに、みんな友達だとしか思っていなかったから」 ちょっと嫌味を込めて放った言葉も、晃の前では役には立たず霧散する。 忘れてた。 こいつはこういう悪意に関しては、恋愛以上に鈍感だった。 ケッ、しかもまた、なんとも主人公らしい台詞で。 「そうか、それで昨日は酒を飲んでいたという訳か。もぅ、あんなのは止めてくれ」 しかし、心の中の悪態をおくびにも出さない俺って、実は凄いんじゃなかろうか。 綺麗に片付いた部屋を見渡して、これで話は終わりだと思っていた俺は、まだ続きがあることに驚いた。 「…あー、昨日酒を飲んでいたのは、また別の理由があって……」 また、気まずそうな顔に戻った。 どうやら、俺にも予想外な事が起こったようだ。  
/63ページ

最初のコメントを投稿しよう!