理不尽だとは思ってたけど、ここまでとは

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なんでも、板波は始めこそさめざめと泣いていたのだが、急に立ち上がり暴れだしたらしい。 私はこんなにも晃のことが好きなのになんで断られるの、とか。 別に好きでもない男(俺だな)と付き合ってまで近づいたのに、とか。 昨日私の料理食べて、毎日食べたいくらい美味しいって言ってくれたじゃない!(一昨日帰りに別れた後こんなことしてたのか!)、とか。 ここで俺は、板波が晃の“毎日料理を食べたい”という言葉を、“結婚して、俺に毎日飯を作ってくれ”に勘違いしたということに気付いた。 前にも一度そんなことがあったからな。 おぉっ!まさかの主人公スキルが仇に!! しまいには、晃が結婚してくれないなら晃を殺して自分も死ぬなんて言い出したらしく…。 なんか、俺、もう晃になりたいなんて思わなくなった。 見た目美少女が本当は男で、ヤンデレとか普通は有り得ない。 それに告白されるとか……悪夢だ。 つくづく、主人公の大変さを垣間見た話だった。 しかし、板波は見た目美女でも、男。 そりゃあ、暴れられればリビングはボロボロになるはずだ。 「……ふぅ」 大分収まった部屋を見て、一つ俺は思う。 …ニューハーフって恐ろしい。  
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