致し方ない転生

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 「少々お話したい事が、、、」そう話し始める自分の声色が震えを帯びているのが嫌でもわかる。  「ん?どうした」 ベルゴさんはどうやら気さくな方のようだ。  さて、どうしようか、、、。 私は地球という星の日本と言う場所から来ました、などと真実を話してもベルコ親子の頭を混乱させるだけか、、。 以前、というより生前か、、、携帯小説の中には転生物語があった。 確かにあったのだが、今、この現状を鑑みるにまさしくその類いの出来事だろう。 思考を巡らせる事数秒、俺が導きだした答えは、  「実は私は倒れ、目覚める以前の記憶、情報などがわからないのです。」 記憶喪失でいこう。 side out,,,, side in ベルゴ  この世界には様々な人種がいる。 緑色の髪や俺のような赤眼であったり。 眼前にいるこの青年はどうだ。 黒髪黒眼、だと?この世界には存在しないはずの組み合わせ。 明らかに異色な青年は自身を記憶喪失だと言う。 嘘をついているふうはない。 だとしたらフラメやレグリットのような一般的に普及されている魔物の事を話した時浮かんだ困惑の表情にも納得がいく。 聞けば青年の名はシーラ=クリムトというらしい。
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