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あそこまでの言い合いは初めてだった。
喧嘩とかしても、あんなに熱くなっちゃうことないし。
思うがままに言葉を発したけど、今となっては何を言ったかなんてはっきりと覚えていない。
ただ必死だった。
奈多良さんに、私と俊くんの思い出をどうでもいいみたいに思われてしまうのは嫌だ。
私はただの幼馴染みなのかな?
俊くんが覚えていない今、幼馴染みでもないんじゃないのかな?
仲良しの友達? それとも好きな人?
これが恋かどうかなんて、恋愛初心者の私にはわからない。
俊くんに対する気持ちを理解するには、時間がかかりそうだ。
ふと座ったまま自分の手を見つめた。
右手には、四つ葉のクローバー。
それを見つめて目を閉じた。
「絶対叶えてね。」
俊くんが私のことを思い出してくれるように頼んだ四つ葉のクローバー。
四つ葉のクローバーさん、お願いします。
私のお願い、叶えてください。
どれだけ時間がかかってもいいから、私のこと思い出して欲しい。
もし、昔の約束が叶わなくなっていても、俊くんに確かめるだけでいいから。
私はその場に立ち上がると、空に向かって「頑張るぞーっ!」って叫んだ。
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