タイトルに意味なんてないのよ

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しばらくして、一輝の部屋のドアが勢いよく開かれた。 「ちぃーす、遊びにきたわよお」 入ってきたのは腰辺りまで黒髪を伸ばした細身の少女。 身長はやや高めでつり目が特徴的だ。 と、そんな少女が持っていた鞄からなにやら取り出しつつ口を開いた。 「ねえ、新しい格ゲー買ったんだけど一緒にやらない?」 まだ未開封のゲームのパッケージを見せながら言った彼女だが、一輝はテレビの画面を睨み、レベルの上がったキャラのステ振り(ステータスの割り振り)で悩んでいた。 「ねえ、ねえってば」 声を再度掛けるが一輝は反応しなかった。 完全に自分の世界に突入し、もはや声は聞こえていない。 「ねーえって…………彼女が遊びにきてんのに、無視すんなやゴラァア!!」 「痛あ!! 蹴んなよ!」 そんな一輝の頭に蹴りを入れたのは二葉二美(ふたば ふみ)、一輝の彼女である。
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