0人が本棚に入れています
本棚に追加
/16ページ
「────────続いて、国歌斉唱」
入学式も何事もなく終わり、それぞれの教室へと誘導される。
「じゃあ、自己紹介していこうか!1番から!」
担任の教師はどこにでもいるような、若い男の先生だった。
ひとりひとりが自己紹介をしていく。
1番目の青山が特技なんかを言い出したので、前に習えで特技も言う流れが生まれた。
男子の紹介が終わり、
「はい、じゃあ女子1番から」
カタンッ
立ち上がった時、長い黒髪がふわっと広がる。
腰の辺りまであるその髪は綺麗でつやのあるストレートだった。
「神崎 凪です。」
彼女、神崎は名前だけを言い音も無く着席した。
じっと見ていると、ふと目があった。
「!」
神崎渚は一瞬、驚いたような顔になったがすぐに目を反らした。
最初のコメントを投稿しよう!