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兄貴のくだらない話しは無視して助手席の窓の外を眺める
いつもどうり、変わらない毎日
こんなつまんねぇなか俺の人生終んのなのかな
車の中から16年暮らしてきた町並みがやけに色褪せて見えて流れていくなか
馴染みのある門の前で車は停まった
「今日のとこは見逃してやる、早く行け」
なんだかんだ言って兄貴は優しい
でも、こいつは秀才だから俺みたいなポンコツのことなんてちっとも理解出来ないだろう
「おい、聞いてんのか?」
『聞いてるよ、馬鹿兄貴』
「今回は見逃してやるけど、また問題起こして停学くらったらお前停学じゃすまなくなるぞ」
そう、つい数日前まで俺は停学をくらっていた
夜中にふらふら歩いてたらあっちから突っ掛かってきた
『余計なお世話だ』
兄貴は何か言いたそうな顔をしていたが
俺は車を降りて門をくぐった
こんなでき損ないの俺なんてほっとけばいいのに
馬鹿なお節介はきっと俺を心配してくれているからなのだろう…
でも、それがウザくて仕方なかった
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