二人の葉月

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ーーキーンコーンカーンコーン 次の日の眩しいくらいによく晴れた朝、私は学校に登校することにした 友達を見ても、いつもの挨拶をすることはなかった 俯き加減で教室に入ると、いつものように漂っている花の匂いは、私の心を複雑にする ふと、いつもと教室の雰囲気が違う気がした 原因はすぐわかった ある席に女子が5、6人集まっている 甘いピンク色の空気が、漂っているような雰囲気だ 輪の中心に、いつもはないはずの姿が見える 今年度、たった二日しか学校に来ていない少年ーー葉月君だ 多分質問攻めにあっているのだろう 葉月君は顔立ちが綺麗で、白せきの華奢な少年なのだ 私みたいに葉月君を気にしている女の子が、多くいても不思議ではない 私は葉月君に近づいてみた 今までどうしてたの? とか、勉強の方、教えてあげよっか? ……と、一度に言葉が次々と重なっていくのが聞こえる 複雑に感じながらも、ふと、違和感を覚えた
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