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葉月君の様子が不自然なのだ
対応しきれずに、困ってしまって苦笑いをしている
葉月君なら質問にも一切答えずに無視を決め込む
それか、適当にあしらいそうなものだ
だが、今の葉月君はまるで別人だ
そして授業を一つ挟んだ休み時間
葉月君は私に目で合図すると素早く教室を出た
来い、ということだろうか
葉月君は誰もいない階段まで歩くと、クルリと振り返った
するとーー
「あ、あの、あなたが安曇……さんですよね?」
私の顔を上目使いで見ながら、葉月君は挙動不審気味な声を出した
声の調子もやや高い気がする
「えっ、えっ!?」
に、二重人格!? どっかで頭打った!? 本当に葉月君!?
葉月君のあまりの変わりように、私は頭を混乱させる
でもそれは次の言葉で解決する
「あ、驚かせてごめんなさい……。僕は水浦如月と申します。
葉月は僕の双子の兄にあたります」
葉月君……と思っていた人物は、葉月君の双子の弟ーー如月君だった
如月君は申し訳なさそうに眉を下げている
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