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浩一の視界には大きな緑の平地と人々が映った。
それは紛れもなく戦場。
だが中学や高校の時学校で習った刀や銃を使った戦では無い。
いや、正しくは刀や銃"だけ"を使った戦では無かった。
そこでは火はもちろんのこと、水や雷、風さえも武器にしているように見える。
浩一にはその光景が漫画の忍者が使う技のようにも思えた。
浩一が呆然と立ち尽くしている所へ、流れ弾、と呼んでいいのか分からないが可視の風の球が飛んで来た。
浩一は慌てて木の陰へ隠れる。
風の球は近くの木に当たり破裂、激しい風が木をへし折る。
浩一が隠れた木も折れてしまい、浩一も激しい風を浴びる。
風が止むと、そこには1人の少女が体に沢山の擦り傷を負いながらかがんでいた。
少女が顔を上げて、浩一は少女と目が合う。
「……あ…」
浩一は思わず声が漏れた。
少女も目を丸くしながら口を開いた。
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