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物心ついた時から私には視えていた。
刻華の地に古より住むと云われてきた妖-アヤカシ-たちが。
それは私にとって当たり前の事だったから、特に気にしたことはない。
ただ両親は快く思わず、他人に口外することはいけないと云われた。
今思えばそれは私のためとかではなく自分達のため。
鴇風家は古くから刻華町に住んでいる。
私、鴇風美桜(ときかぜみお)は幼い頃からやや大人びていた。
それはたぶん…私に"鴇姫"の血が流れていたから
刻華の地を祈りで護り抜く使命を持つ姫の血を
そしてそんな歳に合わず大人びていた私は友達がいなかった。
けれどちっとも寂しくない
心に親友がいたのだから。
刻華に伝わる創始伝説、イザナミとイザナギが一の神児、天照ノ尊の魂を持つ神獸、"天照"
彼女がいるなら友達なんて要らない。
そう、思っていた。
あの日の夕暮れ、あの人達と出逢うまでは…
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