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「来訪者が最強なのは夢物語だ。…それより名乗らせろ。」
「「本の内容十分ちょいで覚えた癖に…」」
蒼真はヴィア達のやりとりを見て話を逸らすと、紅杷と白覇がボソッと呟いていた。その呟きはしっかりと蒼真の耳に届いていたらしく二人を睨み、睨まれた二人は慌てて視線を反らしていた。
「ヴィステリィアの守護獣、天馬のコーミルフィだ。」
「リゼルタの守護獣のユンゼルだよー」
「…お前は何になるんだ。」
「Σみ、見た通り天狼だよっ!」
ペガサスに続き、狼らしきのも名乗ったが蒼真にツッコミを入れられ半泣きになりながら答える狼のユンゼル。
「…………あの馬鹿に関して聞き忘れていたことがあるんだが大丈夫か?」
ユンゼルを数秒見ていた蒼真だったが、何事もなかったかのようにリゼに視線を移し話を変えた。その態度はあからさまだった為ユンゼルは凹み部屋の隅に座り込んだ。リゼは一部始終を見ていた為どうするか悩んだ後、ユンゼルを放置することに決め、蒼真に聞き返した。
「姫は昨日あの馬鹿を次男坊と言っていたが、リゼと本人は跡取りと言っていた。どっちなんだ?」
どうやら馬鹿というのはイカ……イルミローアの話らしい。
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