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蒼真は言葉が通じることがわかり、教室で引き寄せ抱き締めたままだった白覇を漆巴に預け、デザインの違う兵士を睨みながら立ち上がった。その蒼真の行動に周りを囲んでいた兵士はビクッと肩を震わせた。
次の瞬間、蒼真を纏うオーラが警戒から威嚇するようなものに変わった。それは、すでにビクついた兵士を煽るには十分で周りにいた兵士は震えながら蒼真だけに槍を向けた。それに気付いた漆巴が慌てて立ち上がり蒼真に耳打ちをして微笑んだ。その微笑みを見た蒼真は顔をひきつらせながら頷いた。そして不満そうに溜め息をつきながら腕を組み、視線を地面へと移すと威嚇していたオーラは先程と同じく警戒するオーラに変わった。それを確認した漆巴は優しく微笑み、先程の一人の兵士に視線を変え話し掛けた。
「いきなり申し訳ありませんが、幾つか此方の質問に答えて頂けませんか?」
「…言ってみろ」
兵士は蒼真とは違い冷静な漆巴に疑問を持ちながら警戒をし、ぶっきらぼうに言葉を返した。その反応に話は聞く気はあるのだと判断した漆巴はお礼を言い言葉を続けた。
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