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グググッと奥歯を噛み締め。なんで、二十歳にも満たないこの三人の発達ぶりはどうなっているんだ! 今更ながらにそう思えば瞳がさらに燃える。
「い、イチ……落ち着いてくれないかな?? 今日はakusarさんをお招きしているのだから」
「作者の言う通りじゃな。今は客人を招いておるのだからのう?」
「一目連さんごめんなさい! どうか怒りを静めて下さい!!」
「――ぐぅぅ……咲阿……――チッ」
無理やり怒りの刃を鞘に納める一目連に、クオは楽しくて仕方がない。これはよい酒のツマミが来たと思っていれば……
「んん~満足♪♪」
こんな事態でもしっかり食事を堪能していた桜花が、漸く箸を置いたのだ。
周りを見れば、まだまだエキサイト気味の空気に軽く首を傾げ、何したのかな? っと、お気楽思考。
「折角、イッチーさんも来たなら~お酒をどうぞ~☆」
そう言って、日本酒が注がれるコップを一目連の前に置いてあげる。
「……いや、私は酒を呑みに来た訳ではないのだぞ」
「たまにはいいではないですか? 私は一目連さんとも飲みたいですよ」
「――?! ……わ、私とか? しかし……」
「クククッ、つべこべ言わず座るがよい。今日は気分が良いから貴様に酒を飲ませてやるわい。それとも何か? あくさぁとは飲みたくないと?」
「――そんな訳ない! ……そこまで言われれば付き合う」
なんて強きで言いながら席へ座る一目連に合わせて、何故か桜花が再び、場をリードする。
「うんうん☆ ではでは~皆さんお手元にお酒を♪ 乾杯しますよ~!」
「桜花ちゃん……ちなみに何に乾杯ですか??」
「勿論~akusarさんの日頃にだよ☆ んじゃあ~グラス持って~乾杯ー♪」
桜花のノリノリな機嫌に巻き込まれれば、基本的に誰も逃れられない。無論、それは白面金毛九尾も一目連も。
全員で乾杯をすれば、楽しげな宴は続くのだ。
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