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ほう。と興味を示す。何かしら望みを叶えるなんて言葉、何れ程のものかと疑っていながらも、決して悪くないと考える。
「り、リョークさん」
「今はこれしか策が浮かばなかったんだ。――どうだいクオ??」
「クククッ、悪くないのう~。フフフッ、じゃがな~女は一度火が点けば止まらぬものじゃぞ」
一度示した誘惑をも振り払う大妖怪の性欲は、何処までも果てしなかった。
歩み出そうとゆるり動き出すクオに「うっ」と作者が声を溢せば、雲母は飛び付いてでも止めますと、震えながら決意を燃やせば……
――ムクッ。と、突如、起き上がる人影。
――?!
突如、起きたのは……
akusarであった。
その瞳は三分の一の開きで、寝ているのか起きているのかと言う境目。寧ろ、どうやって起きたのか疑問に思わせる。
「なんじゃ? あくさぁ……――?!」
さすがのクオをびっくりし、赤紫色の瞳が見開き動きを止めた。
――抱きついた。
お姫様が着物の美女に前から抱き着けば……そのままソファーへ、連れて行く。
「もう~……今日は……ママと寝る……よ……」
広いソファーに半ば強制的に連れ込むと……頭を撫でながら眠りに誘う。
「……」
何千年生きた中で思わぬ行為に、クオは目が点となりつつ唖然としていた。何故か素直に連れて行かれ、ソファーに横になった自分に不思議で仕方がない。
振り払うかと考えたが、今日は特別な日で、そう言えばそれが理由で酒を交わしのだったと思い出したのだ。
「うむ……あくさぁに免じて今日は時間を共にしてやるわい。……じゃが、これは立場が逆じゃな」
優しく腕を払うと、クオが優しく頭を撫でる始める。それは滅多に見れる事が無い、絶女の穏やかな微笑み。
まるで菩薩の微笑みを思わせる中、クオは作者と雲母の事など忘れれば……
二人はソファーで眠りについた。
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