25人が本棚に入れています
本棚に追加
「……」
「……」
余りの出来事にただ、呆ける雲母と作者。
母強し。いや、akusarさんの寝呆けが強しなんて思いつつ、取り合えず、テーブルに戻る。
「あんなクオ初めて見たよ」
「わ、私もです」
率直な意見に、率直な思い。二度と見れないではないかと思う奇跡に、開いた口が締まらない。
「でも……二人とも幸せそうです」
雲母がソファーに視線を移せば、二人の美女が優しく寝息を。
「……本当だね。最後までakusarさんに助けられたね。やっぱり母親は強いかもね。さすが雲母ちゃんのお母さんだよ」
「……はい。私は自慢のお母さんです」
少女の笑みが眩しい。それは誰よりも自慢なんですと言いたげなのが、表情からも溢れていたのだ。
「今日はこのままにしよう。もう、夜も大分遅くなってしまったから、片付けは明日にしよう。雲母ちゃん? 奥の来客室を使ってね」
「……わかりました。その前に皆にタオルケットはありますか?」
「今持って来るからね」
そう言って、作者は部屋の奥へと歩いて行く。そんな作者の背中が部屋から消えて、雲母はソファーを再び見て……
「お母さんか。……akusarさん。いつも本当にお疲れ様です。そして、ありがとうございます」
小さく呟く。それは、祈りを捧げる様に小さく。
呟きが終われば、自然も笑みが浮かぶメイド服の少女。
作者が持ってきたタオルケットを全員にかけ、今日も色々あったけど欠がえのない母の日になった。
そう、私にはこんなにも素敵な仲間と母親がいるんだね。と、心で言えば、いつかは私も母の日に感謝されるようになりたいと思い、雲母も床に就く。
最初のコメントを投稿しよう!