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物陰を探そうと思ったが耳をつんざくサイレンの音が聞こえてきた。考えている暇はなかった。
足早に窓に近付いたが窓の外を見て驚愕する。
高すぎる!! 下が見えない!
暗さのせいもあるが、それ以前の問題だ。周りを見渡しても何もない。
月明かりが病棟を照らしているだけだ。
どうする?
いちかばちか飛び降りるか? 決心を決めようとしても膝が震える。
───怖い───
怖い?
さっきまで死にたいと思っていたのに?
サイレンに混じって鉄がぶつかり合う音も聞こえてきた。武装した奴らがいるらしい。
病人相手にやけに脅えている。
何なんだ? 本当に。
そんなに恐ろしい病気なのか?
フッ……
どっちにしろ、死ぬのなら飛び降りても変わらないだろう。
そう思ったとき動かすことを諦めていた ベットが 機械音と共に横にスライドした。
………
ベットの下から階段が姿を現す。
「そんな所にあったのか。もっと分かりやすい所にしてくれよ」
階段から出てきた一人に冗談まじりに提案した。
全身に黒い装甲
手には各々銃を持ちガスマスクをしている。
銃口はもちろん俺に向けられている。
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