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「次からはそうしよう」
奥から一人の男が出てきた。闇の象徴の様な漆黒のコート血を吸ったような深紅のベレー帽
。
ほかの奴らとは違う重い空気を纏っている。
「お前はガスマスクをしないのか?」
武装した奴は俺を恐れるように後ろに構えている。
だが、こいつだけは堂々と臆することなく俺を睨んでいる。
「…………」
「何も言うつもりはない……か」
ベレー帽が手を前に出した。
「捕らえろ!」
チッ
逃げるしかなさそうだ。
もともと消える命──
〈こんな子供……〉
ベレー帽の横から声がした。
見るとベレー帽の横、一番いかつい男が引き金を引いた。
銃口が火を吹く。銃弾は真っ直ぐ的確に俺に向かってくる。
とっさに左に飛び退き上手く銃弾をかわした。
少し遅れた。一ヶ月も身体を動かしていなかったんだから当然か。
銃弾は右腕をかすめた。
血が流れ、また床に血の池を作り出した。
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