序章 散りゆくものたち

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 闇は容赦なく記憶を奪い俺の人格を壊していく。だから今俺の人格は存在しないに等しい。  生まれて間もない赤ん坊と一緒だ。  まだ、善悪の見分けはつくが あと、数回闇が襲ってくると、 それも分からなくなる。  もし、そうなったときに、誰かに嘘を言われればそれを真実だと真に受けてしまうだろう。  それは、俺が他人の操り人形になることを意味している。  そうなる前にどうにかしないといけない。  ここから逃げるか、  死ぬか。  二択に一つ。  闇に襲われた後は死にたいと思う。でも、少しでも望みがあると生きたいと思ってしまう。  人間なんてそんなものなのだろう。  嫌なことがあれば逃げ出したくなる。  チャンスがあれば欲が出る。  だから、生きてる間は心の思うままに生きよう。  たとえそれが、  ────間違っていようとも!
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