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飴が晴くんの頬を膨らませた。
イチゴのが好き、なんて言いながら幸せそうじゃないか。
「美味しそうに食べるね」
「玲さんからもらう飴、大好きなんです」
「私のことは?」
「大好きですよ」
はぁ……
わかってますよ。
晴くんの、大好き。に恋愛感情入ってないことくらい。
「玲さん玲さんっ
いつものお礼にココア、おごらせてください」
ふわふわ笑顔を私に向ける。
晴くんのふわふわな髪が揺れる。
夕日に照らされて、縁が金色に輝いてる。
「んー、今度でいい?
早く帰ろう」
「じゃあ……
今度絶対ですよ?」
「はいはい」
精一杯背伸びして晴くんの頭を撫でれば、いつものようにうーって唸りながら、
「俺、後輩だけど
一個しか違わない」
「知ってるけど?」
高校2年の私。
高校1年の晴くん。
私はまだ
晴くんのふわふわ笑顔で、天然の裏側を、ちょっとも知らない。
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