3

5/7
前へ
/21ページ
次へ
隣で母さんが泣いてる。 向かい側で美零を罵った奴らの母親が怒鳴っている。 ……うるさいな。 ……早く終わらないかな。 ただいま午後5時。 早く行かないと、面会時間が終わってしまう。 「ちょっと!恋貴」 「…………何?」 「あなたからも謝りなさい。さっきからぼーっとして…」 何もわかってないんだね。 「ちゃんと、聞いてるの?」 俺は美零を傷つけた奴らにそれ相応の痛みを与えただけだよ? 「…俺は…何も悪くない」 「恋貴?」 「俺は何も悪くないっ。美零を傷つけるアイツらが悪いんだ!!!!!」 「…美零…ちゃん?」 「あぁ、ずる休みしてると噂の………きゃっ!?」 今更だか、俺は平均以上には身長もあり、力も持っている。 机をひっくり返すくらい、なんてことは無い。 呆然とする親達を一瞥して、静かに見守っていた相生先生に微笑んだ。 「これは、全面的に俺が悪いわけ無いって先生ならわかってくれますよね?」 無言の先生に痺れを切らして俺は出ていった。 「美零のとこ行って来ます。」
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加