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隣で母さんが泣いてる。
向かい側で美零を罵った奴らの母親が怒鳴っている。
……うるさいな。
……早く終わらないかな。
ただいま午後5時。
早く行かないと、面会時間が終わってしまう。
「ちょっと!恋貴」
「…………何?」
「あなたからも謝りなさい。さっきからぼーっとして…」
何もわかってないんだね。
「ちゃんと、聞いてるの?」
俺は美零を傷つけた奴らにそれ相応の痛みを与えただけだよ?
「…俺は…何も悪くない」
「恋貴?」
「俺は何も悪くないっ。美零を傷つけるアイツらが悪いんだ!!!!!」
「…美零…ちゃん?」
「あぁ、ずる休みしてると噂の………きゃっ!?」
今更だか、俺は平均以上には身長もあり、力も持っている。
机をひっくり返すくらい、なんてことは無い。
呆然とする親達を一瞥して、静かに見守っていた相生先生に微笑んだ。
「これは、全面的に俺が悪いわけ無いって先生ならわかってくれますよね?」
無言の先生に痺れを切らして俺は出ていった。
「美零のとこ行って来ます。」
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