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羽矢と鳴海の声を聞きながら柳瀬の家の門でインターホンを押す。
じきに聞こえて来たのは懐かしい柳瀬の声だった。
今日は……良いんだな。
「はーい。ってレンレン」
…こいつ。やりやがった。
いつまでその名前で呼ぶ気だ。
こっちが恥ずかしくなる。
「…………プリント」
俺の口から出たのはたったそれだけ。
柳瀬はいたずらっ子のような顔をしている。
「ありがと。レンレン。せっかくだし上がってく?」
「うん!」
と。俺が拒否る前に鳴海が元気良く答えた。
前も言ったが、俺は小心者だ。
ここで断れるほど、俺は強くない。
お前も、それをわかって聞いただろ。
柳瀬……いや、美零、みーちゃん。
この性悪わがまま娘め。
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