1560人が本棚に入れています
本棚に追加
/59ページ
「・・・ね、こ」
どこだろ。
さっきよりも鋭さを増した風と雨で、傘を諦めざるを得なかった俺の視界は悪い。
「ね、こ」
闇に、光った。
「!い、た!」
「にゃあ」
よかった、逃げてなかった。
窓から見たままの場所にいるねこに近付くと・・・人懐っこいのか、擦り寄ってくる。
・・・見えないから、なんか冷たいのが足にあたってるなー・・・って感じ。
でも、
「・・・か、わい」
おそるおそる撫でてみる。
・・・よし、逃げない。
「一緒、かえ、ろ」
冷えたでしょ。
「にゃ」
「・・・軽い、ね」
抱え上げたねこは、安心でもしたのか、腕の中で丸くなった。
さぁ、帰ろう。
.
最初のコメントを投稿しよう!