1-1.親友の心

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  「ナキ、一人ぼっち違う。私が居る、でしょ」 「うわっ、な、棗!?」 「ん」 そう、まだ僕は一人ぼっちではなかった。 彼女は宮守 棗(ミヤモリ ナツメ) 僕の数少ない、否、唯一無二友人。 幼稚園からの親友。 口数が少なく、やたら区切りが多い話し方をしている、黒髪ロングのいかにも大和撫子な感じの少女だ。 いつもポーカーフェイスで感情が読み取りづらいのが玉に瑕だが。 本人曰く、僕と親以外の人とは喋った事がないのが密かな自慢らしい(自慢できるの事なのか?)。 棗もまた他人から疎外、というよりも避けられている。 男子も女子も先生も、僕以外の誰も、彼女を相手にしていないみたいだった。 棗自身はそんな事は気にしていない様だけど、親友として僕は少し心配している。
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