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「褒め言葉、嬉しい。あと、心配する必要、なし」
「相変わらず、プライバシーもへったくれも無いな。心読むのは止めてくれよ、頼むからさ」
どこで覚えたのか、棗は人の考えている事がわかるそうだ。
俗に言う読心術というヤツ(これも僕にしか使わないらしいが)。
的中率は、ほぼ100％。これは僕が保証する。
だから僕の事は、秘密にしている事を除き何でもお見通しなのだと、彼女は言う。
棗は人の秘密は読まないと決めている。
―― 自分にも、ナキに知られたくない事がある。自分がされて嫌な事はしない。だから私は秘密にしてる事だけは干渉しない
少し前に彼女が言った言葉だ。
人の心を読むという事は精神的にキツイらしく、多用はしたくないと棗は話していた。
黒くて暗い。
陰湿で邪悪。
今まで見てきた心のほとんどがそれだったから、他人の心はなるべく読みたくない。
僕は昔から一緒だったから信用出来るし、邪な事を考えないから心置きなく読心できると嬉しそうに言っていた。
嬉しいのやら悲しいのやら。
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