1-1.親友の心

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  授業開始の5分前、チャイムが鳴り響き楽しい談笑タイムの終わりを告げる。 「そろそろ、授業。またね」 たった二言。言い終えた棗の顔は、気のせいかもしれないけど、少し寂しそうに見えた。 「おう、また」 ◇◇◇ 「だぁっ・・・はぁ。やっと終わった」 チャイムと同時に背伸びをする。 最後に少し眠ってしまった気もするが、まあ気付かれていない様だったから大丈夫だろう。 まだ頭がボーッとする。 しかし放課後は職員室で小言を聞かなくちゃならないから、むしろ好都合だ。 もっとも、その時まで続けばの話だが。 「ホームルーム始めるから席に着けー。ほら、さっさと動く」 担任が生徒達を促す。 早く帰りってゆっくりしたいから、あまり長い話にならなければ良いんだが。
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