1-1.親友の心

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  「えー、連絡する事は二つ。一つは、月曜が祝日で三連休になるがハメを外し過ぎないという事」 三連休というワードを聞いてざわつくクラスメイト達。 僕も休日が増えるのは嬉しいが、わざわざ口に出す程でもあるまい。 きっと僕の三日間は何のイベントも無く、ダラダラとしていると思うけど。 「だーまーれ。まったく、お前等はガキか」 わざとらしく溜め息をつく担任教師。 僕も同じ様な事を思っていた。 「次、二つ目な。外を見れば分かると思うが、かなりの濃霧が発生している。帰りは十分に気をつけろ、以上」 起立、礼、さようならと、何百回と聞き飽きたお決まり文句を言い、ぞろぞろと外に出る生徒達。 だけどそれ、小学生の時の挨拶じゃないか。 本当にガキかよ。 僕は教室から出る前に、窓の外を見る。 担任の言った通り、真っ白な濃い霧が立ち込めていた。
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