1-1.親友の心

9/21
前へ
/41ページ
次へ
  外に出てみても、3メートルくらい先しか見れない。 それより向こう側は、右も左も上も下も一面の白。 純白の壁に囲われているみたいだ。 下手をすれば事故でも起きてしまいそう。 「こりゃかなり注意深く進まなくちゃな・・・」 「ナキ」 後ろから僕を呼ぶ声。 誰なのかは分かっている。僕の事をそういう風に、『ナキ』と呼ぶのは決まってアイツなのだ。 「棗、いきなり後ろに立」 「急用、出来た。先 帰る」 僕の話には聞く耳を持ってくれないらしい。 けど急用だとしてもこれ程 視界が悪い中、女の子を一人で帰す訳にいかない。 当然 送っていくと言ったが丁重にお断りされた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加