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「一つ質問、良い?」
「なるべく手短にな」
こんなに見通しが悪いのに、さらに暗くもなってしまえば状況は最悪だ。
棗も うん、と頷く。
「・・・ナキは、私の事、どう思ってる?」
「はい?」
若干 上擦った声で聞き返す。
どうしたんだ薮から棒に、と言おうとしたが、
「私は」
と、まさに問答無用で続ける。
頼むから人の話は最後まで聞いて。
「私は、ナキの事は友達だと思ってる。信頼してるし信用もしてる。でも、たまに怖くなる」
「怖く?」
肯定の意で首を縦に振る棗。
「ナキ、とても大切な人。だから、居なくなってしまったらと思うと、怖い」
大切な人が消えるのは辛いから。
消え入りそうな声で彼女は言った。
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