1-1.親友の心

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  「一つ質問、良い?」 「なるべく手短にな」 こんなに見通しが悪いのに、さらに暗くもなってしまえば状況は最悪だ。 棗も うん、と頷く。 「・・・ナキは、私の事、どう思ってる?」 「はい?」 若干 上擦った声で聞き返す。 どうしたんだ薮から棒に、と言おうとしたが、 「私は」 と、まさに問答無用で続ける。 頼むから人の話は最後まで聞いて。 「私は、ナキの事は友達だと思ってる。信頼してるし信用もしてる。でも、たまに怖くなる」 「怖く?」 肯定の意で首を縦に振る棗。 「ナキ、とても大切な人。だから、居なくなってしまったらと思うと、怖い」 大切な人が消えるのは辛いから。 消え入りそうな声で彼女は言った。
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