1-1.親友の心

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  「何それ、どうゆう、こと?」 棗の表情がどんどん暗くなり、声も若干 涙声。 目にも僅かに水滴が溜まっているように見える。 言い方がきつ過ぎた様だ。反省しなければ。 「ああ、ごめん。まだ続きがあるから」 「続、き?」 「棗の事は、『普通の友達』なんかじゃなく、『親友』だと思っている」 さっきの事もあるので、普通の所を強調して言う。 安心させようと言ったのに、逆効果だ。 タイムマシンがあったら僕に下さい。 「親友・・・」 「そう。友達の1ランク上、特別で大事で大切な存在だと思っている」 だからあの時、友達とは思っていないと言ったのだ。 そんな安っぽい言葉で表して欲しくなかったから。
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