1-1.親友の心

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  友達になろうぜ、なんて言えば簡単に友達は出来る。 けど今の僕達は、そんな軽々しい仲じゃない。 そんな、そんな風な関係と思いたくない。 何年も一緒に、泣いて、笑って。 怒って、時々喧嘩して、その度に仲直りして。 他の誰よりも、一緒の時間を過ごしてきたんだ。 「だから僕は誓う。たとえお前がどんな姿になっても、それこそ犯罪者だろうが何だろうが、宮守棗の親友でいる。裏切ったりなんかしねぇよ。どんな事に巻き込まれても、いつでも僕は、宮守棗の味方だ」 言い終えた後も、彼女は無言で下を向いていた。 が、少し経って、僕の真正面に倒れ込む様な形で、その顔をうずめた。
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