1-1.親友の心

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  「いくらなんでも酷・・・あれ?」 文句を言おうと顔を上げたが、そこには彼女の姿は無かった。 そういえば急用があるとか言っていたな。 もう帰ってしまったのだろうか? 「・・・何か一言ぐらい言えっての」 愚痴を零しつつ、とぼとぼと一人、霧の中を歩いた。 15分ほど歩いたところでY字路にぶつかった。 左に曲がると大通りに出て、交通量も多い。 右はまだ舗装もされておらず、人通りも少ない獣道。 どちらを通ったとしても我が家には着ける、もちろん左の方が近道だが。 「・・・もし事故ったら、洒落にならないよな」 安全面を考慮し、右の道を選んだ。
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