1-1.親友の心

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  何も音がしない、さっきまでのが嘘の様だ。 だが、また直ぐに鳴きだした。 今度はギャアギャアと慌てている風な声、それとともに遠くへと飛び立つ鳥たち。 蝉も同じく飛んで、うわ、小便ちょっとかかった最悪。 「何だ・・・?」 動物達の異常な行動に、一抹の不安を感じる。 嫌な予感がした。 本能が引き返せと僕を急かす。 此処には何度か足を運んだ事があった。 けど今は、未知の場所に踏み込んだ気分だ。 得体の知れない恐怖感が、霧と共に僕を包み込む。 その時だった。 奥の茂みから、何かが僕めがけて飛び出してきた。
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