1-1.親友の心

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  一瞬の事でよく分からなかったが、しかし、奴は素手、武器は所持していなかったはずだ。 だとしたら。 一体 何が起きた? アレは、何なんだ? 切り株の前に立っているのは、推定2メートル程の長身痩躯の男。 ゆらゆらとした動きでこちらに振り向き、腕を広げ前傾姿勢をとる。 またさっきと同じものをやるつもりだ。 逃げなければ。 多分 殺される。 「・・・・・・・・・・」 僕も直ぐに身構えたが、男が襲ってくることは無かった。 それどころか、踵を返して去ってしまった。 「助・・・かった、のか?」 森の中で一人 呟く。 だが安心するには、まだ早かったらしい。 「いた!そこを動くなです!!」 「え?」
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