1-2.猫と狐と鎌鼬

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  「ちょっと痛むかもしんないけど、最初だけだから。我慢しろよな」 「分かってます、って痛い!予想に反して痛いです!!もう少し優しくして下さいです!」 何をしているかは言わなくても分かるだろうが、彼女の腕の消毒である。 出血は酷かったものの、傷はそれほどまで大きいものではなかった。 念のため包帯も巻いておく。 「これで良し、と。んで、何であんな所にそんな格好で居たんだよ、コスプレ少女」 「コレは生れつきです、『こすぷれ』と同じにしないで下さい!それにこっちの台詞ですよ。何で貴方はあの場所に居やがったんです?」 この子は語尾に丁寧語を付けて口が悪いのを隠そうとしているのか、いや隠せていないけど。 それともただ単に口癖なのか。 どちらにせよ物凄い違和感を感じる。 「家に帰ろうとして、あの道を通ったんだよ。そしたら変な男に襲われて」
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