1-2.猫と狐と鎌鼬

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  確かに漆花さんは妖怪でしたという事実を認め、これから僕はどうするべきかを聞き出した。 幸い、記憶を消されて帰されるとか、証拠隠滅のために殺害されるとか、そういったSFチックなものは無いらしい。 言い触らしたって構わないそうだ。 語り継がれてこその妖怪だ、と漆花は言う。 そういえば、彼女の目的は何なんだろう。 「お前の目的っていうか、鎌鼬を追っていた理由って何だ?」 漆花は困った表情をした。 「目的は流石に、何の関係も無い貴方には言えません」 それもそうか。一般人に おいそれと言える訳もない。 ただ、追っている理由は話してくれた。 「んー、分かりやすく言うと裏切り者の粛清・・・的な?」 「何で疑問形?」
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