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形を残したまま吹き飛んでいく鉄製の門扉を呆然と見つめること一秒、立ちすくんだままの僕に対し、怒号が飛んできた。
「何やってるんですか早く隠れろ!です!」
人ん家の玄関を蹴飛ばしておいて命令口調だったので、流石にイラッときた。
鉄の扉が何で吹き飛んだのかとか、そういった疑問は、この際置いておく(実際は怒りとかでそこまで考えていなかっただけだが)。
「いやいやお前何やっちゃってるんだよオイコラァァ!どーすんだよコレ風通し良すぎじゃんか我が家の玄関んん!!」
「それは本当に申し訳ないと思ってるって言ったじゃないですかぁぁ!後で土下座でも土下寝でもしますから、とにかく隠れ」
ぱん、と、まだ喋り終えていない漆花の後ろで音が鳴った。
舌戦を繰り広げていた僕達は二人とも黙り込む。
風の音だけが、不気味な程 響いている。
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