1-1.親友の心

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  「ぅおあぁあっ!・・・・・あ」 いきなり上擦った奇妙な声をあげ、僕はガタンと立ち上がった。 どうやら今は授業中、居眠りしていたらしい。 授業を受けていたクラス中の男子・女子、果ては勉強を教えて下さっている教師が、僕こと勾月 無人(マガツキ ナキト)に可哀相な人を見る様な冷たい視線を送っていた。 ある人は口をポカンと開けながら。 またある人は少し引き気味に。 うわ、何コレめちゃくちゃ恥ずかしい。 「・・・・・廊下に、立ってきます」 「いや待て、いやいやいやいや待て待て待て」 この気まずい雰囲気の教室から逃げ出そうとしたが、先生によって止められてしまった。 「廊下に立たせるとか、そんな古風な罰は今のご時世 無いから。ま、次は居眠りするなよ、勾月」 と、呆れ気味に言われた。
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