昇る溜め息

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柵に手を掛け地上を覗く。 光に溢れる街。 たむろい騒ぐ若者、その横を足早に過ぎる中年爺、愉し気に寄り添う男女… 「ねぇ…―。」 何処からか聞こえる低い声… その声が自分に向けられたモノだと気付き少女は振り返る。 「ねぇ、生きるって何?」 少女に問うのは 20代前半…未成年にも見える青年。 軟らかに微笑むその顔からは 真意が読み取れない。 少女は表情を変えずにこう答える。 「流される。」
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