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少女は再びその声に背を向ける。
すると意図的か離れた人差し指と中指からは
赤い口紅の着いた煙草が落ちる。
何にも触れる事無く舞った後、
当たり前の様に踏まれ流れに戻る。
「そう。俺ここから落ちて、終わりにしようかな。何もかも…」
ふふっと笑みを溢した青年は
少女に近づき柵に手を伸ばす。
柵を越えた青年と少女の間には境界が生まれる。
「俺が死んだら君は悲しい?」
境界越しに問いかける。
「別に。」
「恐い?」
「別に。」
青年は優しく笑いかける。
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