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「今の春也にとって一番元気付けれるのは…犯人が捕まったって報告だけだ」
それ以外に、春也を元気づけられるものなんて存在しない。
…上手く捕まるとは思えないが。
今までの殺人が同一人物だったとしたら尚更だ。
和室から啜り泣きが聞こえてきた。
次第にそれは大きくなり、しゃっくりも混じる。
春也が心配になったのか、秀樹が和室の襖を開けようとしたが、寸でのところで俺が止めた。
驚いた顔を向ける秀樹に、俺はゆっくりと首を横に振った。
「一人にした方がいい」
それから5分程して、やっと春也が和室から出てきた。
泣いたせいで瞼が腫れており、目が充血していた。
「…時間かかって…悪い」
「気にするな。…それより、大丈夫か」
「ああ…、もう…結構泣いたから…大丈夫」
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