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◆◆◆
俺は制服を身にまとい、なつめの家を訪ねた。
既に、秀樹、慎、春也の三人はなつめの家の前にいた。
春也の目が赤くなっている。
多分、あの後ずっと泣いていたんだろう。
慎と秀樹は涙は流していないものの、流石に表情は暗い。
誰も言葉は交わさなかった。
しばらく、外で待機していると、なつめのおばさんが顔を出した。
「ごめんね。どうぞ、中に入って」
俺たち四人はぞろぞろと中へ足を運んだ。
おばさんに和室へ誘導され、襖を開けた。
真っ先に目に入ったのは、笑顔のなつめの遺影だった。
「悪い…俺、最後でいいから…。ちょっと外出てくる」
春也は目元を手で隠しながら、和室を一人出て行った。
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