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「春也…相当参ってるな…」
秀樹が春也の出て行った襖を見つめながら、ボソリと呟いた。
一番仲の良かった友達が殺されたんだ。
…無理もない。
俺たち三人は、焼香を早々と済ませた。
和室を出るとすぐに、春也がいた。
廊下で脚を抱えて座り込んでいる。
「春也」
秀樹が呼ぶと、春也が脚に埋めていた顔をあげた。
眉間に皺を寄せ、涙でグシャグシャになっている。
「ああ…悪い。…焼香してくる」
涙をブレザーで拭いながら、和室へと入って行った。
「どうにかして…春也を元気づけてやれないかな」
「…俺たちがどうこうしたって早く立ち直れるもんじゃないだろ」
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