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「学校辞めて、何してんの?」
男がニッコリ微笑みながら、女に聞いた。
女はそっぽを向き、口を固く閉ざしたが、男がそれを許すはずがない。
鷲掴みにしている手に力をギリギリと込めた。
女が苦痛に声を上げる。
「バ、バイトしてる…!」
「へーぇ。お前みたいなの雇う店とかあんの」
男は再び哄笑しながら、女の髪を離した。
何本かの髪がパラパラと床に落ちる。
「もぅ…やめ…て…よ」
女が震える声で言った。
目からは涙が零れている。
男は微笑しながら、女の涙をそっと人差し指で拭った。
その行為に呆然とする女の身体を力強く抱きしめた。
「俺は…人じゃないって」
男は女を抱きしめた体勢のまま、片手で女の首にネクタイを巻きつけた。
「俺は…人じゃない」
女は必死にもがく。
「あぅ…あぁあ…!」
「それでも俺は…あいつらが大好きだから」
男はネクタイを引っ張る力を更に強めた。
女の手が床に落ちた。
「だから…許してよ、薮野」
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